年末の長崎に、ちょっと変わった展覧会がやってきます。長崎歴史文化博物館、通称「れきぶん」で開かれる特別企画展『ポケモン天文台』です。ポケモンと一緒に宇宙を学ぶ展覧会が、九州で開かれるのは初めてです。

「ポケモンの展覧会なら、子ども向けの催しだろう」と思った方もいるかもしれません。ところが、この展覧会は監修を国立天文台が務め、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が協力する、れっきとした科学展です。展示室には、小惑星リュウグウから持ち帰られた砂の実物も並びます。冬休みの家族の出かけ先を探している方にも、宇宙が好きな大人にも、気になる催しではないでしょうか。この記事では、会期や料金、見どころ、前売券の買い方、行き方を、2026年11月1日時点の情報でまとめます。

会期

2026年12月25日(金)から2027年2月28日(日)までです。

見どころ

「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウの砂(実物)と、日本初公開の隕石の化石です。

料金

一般は前売1,300円、当日1,500円です。前売券は10月23日から12月24日まで販売されています。

会場

長崎歴史文化博物館の3階企画展示室です。

出かける前に、気になる点を整理しておきます

楽しみな展覧会ですが、出かける前に知っておきたい注意点もあります。

当日券は前売券より200円高い

一般の料金は、前売が1,300円、当日が1,500円です。中高生は前売800円、当日1,000円、3歳から小学生は前売500円、当日700円と、どの区分でも当日のほうが高くなっています。行くと決めているなら、前売券を買っておくほうが得です。ただし、前売券の販売は12月24日で終わります。

家族で行くと、意外と費用がかさむ

大人2人と小学生の子ども2人で出かけると、前売でも、1,300円×2と500円×2で3,600円です。「親子」の料金(一般1人と3歳から小学生1人で、前売1,500円、当日2,000円)を使えば安くなりますが、対象は大人1人と子ども1人の組み合わせです。さらに、図録は1,980円、ぬいぐるみは2,750円、トートバッグは4,950円と、グッズにも気持ちが動きます。事前に予算を決めておくと安心です。

家族の組み合わせ別に、前売料金を計算する

親子料金をうまく使うと、負担を減らせます。前売料金で、よくある組み合わせを計算してみます。

組み合わせ 通常の合計 親子料金を使った合計
大人1人と小学生1人 1,800円 1,500円
大人2人と小学生1人 3,100円 2,800円(親子1組と一般1人)
大人2人と小学生2人 3,600円 3,000円(親子2組)
大人1人と中高生1人 2,100円 親子料金の対象外

親子料金は、一般1人と3歳から小学生1人の組み合わせが対象ですので、中高生とは使えません。当日券でも、大人1人と小学生1人なら、通常は1,500円と700円で2,200円のところ、親子料金で2,000円になります。

年末年始は休館日が入り組んでいる

休館日は、12月30日と31日、2027年1月4日、18日、2月1日、15日です。12月28日と29日は、ポケモン天文台は開いていますが、常設展は休みます。年末年始に予定を組むときは、日付を確かめておく必要があります。

駐車場には限りがある

博物館の駐車場は有料で、一般の車は62台、大型の観光バスは5台です。冬休み期間は車での来館が重なりやすいため、公共交通機関の利用が呼びかけられています。

とはいえ、これらは事前の準備でほとんど解決できます。そのうえで、わざわざ足を運ぶ価値があるのか。次の章から、その中身を見ていきます。

会場の「れきぶん」は、奉行所の跡に建つ博物館

会場の長崎歴史文化博物館は、長崎市立山1丁目にあります。2005年(平成17年)11月3日に、長崎諏訪の森で開館しました。この場所には、かつて長崎奉行所立山役所がありました。博物館には、江戸時代の絵図面や発掘で見つかった遺構をもとに、一部を復元した奉行所が公開されています。

愛称の「れきぶん」は、長崎の海外交流の「歴史」と、独特の「文化」を表しています。常設展では、大航海時代から、朝鮮、オランダ、中国との交流、長崎貿易、幕末と明治までを、海外交流の歴史として紹介しています。奉行所のゾーンでは、江戸時代の裁判記録である「犯科帳」や、潜伏キリシタンに関わる資料が展示され、御白州でのお裁きを、寸劇で再現する場面もあります。

つまり、れきぶんは、海の向こうの世界と向き合ってきた長崎の歴史を伝える場所です。そこで宇宙の展覧会を開くことは、一見すると意外な組み合わせに見えます。けれども、遠い世界のことを知ろうとする心は、貿易の船で世界を目指した時代も、望遠鏡で星空をのぞく時代も、変わらないのかもしれません。

『ポケモン天文台』は、どんな展覧会なのか

展覧会の主催は「ポケモン天文台長崎展実行委員会」と国立天文台です。監修は国立天文台、特別協力は株式会社ポケモン、協力はJAXAです。画像や映像、模型を使って、天文学で明らかになってきた宇宙の姿を、ポケモンと一緒にたどります。身近な月や太陽から、遠い銀河までが対象です。

展示は、プロローグから第5章までの構成です。展示室を回ることが、そのまま宇宙の旅になります。

本物が並ぶ、二つの目玉

目玉の一つは、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った砂の実物です。教科書やニュースで見た探査の成果を、目の前で確かめられます。

もう一つは、約4億7000万年前の地層から見つかった隕石の化石です。こちらは日本初公開と案内されています。数億年も前に地球に降ってきた石が、地層の中に残っていたということ自体が、まず驚きです。

触れる、動かす、投げる

体験型の展示も充実しています。天体観測ノートをもらって宇宙を旅するほか、次のような体験があります。

  • 地球、月、太陽に向けて、モンスターボールを投げる
  • 赤外線と電波で、宇宙を見る
  • 隕石に触れる
  • ハワイにある「すばる望遠鏡」の、操作できる模型を動かす

クイズに全問正解すると、認定証がもらえます。子どもにとっては、小さな達成感が持ち帰れる仕掛けです。宇宙空間に登場するレックウザやデオキシスの迫力ある模型も、写真を撮りたくなる場面になりそうです。

チケットと予約のこと

ここで、チケットについて整理しておきます。料金はすべて税込です。

区分 前売 当日
一般 1,300円 1,500円
中高生 800円 1,000円
3歳から小学生 500円 700円
親子(一般1人と3歳から小学生1人) 1,500円 2,000円

2歳以下は無料です。障がい者手帳を提示した人と、その介助者1人までは、前売料金が適用されます。長崎歴史文化博物館友の会の会員と、キャンパスメンバーズは無料です。

前売券の買い方

前売券の販売期間は、10月23日(金)から12月24日(木)です。販売場所は、長崎歴史文化博物館、ローソンチケット(Lコード82259、WEB販売)、ローソンとミニストップの店頭です。

日時指定や予約は必要か

特設サイトには、日時指定や事前予約についての記載がありません。そのため、現時点では、前売券か当日券を買って入場する形と考えられますが、これは案内に明記されていない点です。冬休みの時期は、混雑する日があるかもしれません。

常設展との関係

常設展の観覧料は、大人630円、小中高校生310円です。長崎県内の小中学生、友の会の会員、キャンパスメンバーズは無料と案内されています。特別企画展の料金とは別に案内されているため、常設展も見たい場合は、あらかじめ料金を確認しておきましょう。

時間と休館日を、日付でたしかめる

特設サイトでは、展覧会の開場時間は10時から18時まで、最終入場は17時30分とされています。博物館の案内には、12月から3月の開館時間が8時30分から18時までとあり、ここには差があります。開場の時間は、特設サイトの案内に合わせて予定を組むと安全です。

休館日は、次のとおりです。

日付 扱い
12月28日(月)、29日(火) ポケモン天文台は開場、常設展は休室
12月30日(水)、31日(木) 休館
1月1日(金)から3日(日) 開館(1月1日から3日は10時から18時の案内)
1月4日(月)、18日(月) 休館
2月1日(月)、15日(月) 休館

会期中に楽しめる、関連の催し

会場の外にも、楽しみが広がっています。

12月26日(土)と27日(日)には、11時、13時30分、15時30分から、博物館のなかで「ほしぞらピカチュウ」との記念撮影が行われます。詳しい内容は、後日発表される予定です。

スマートフォンのゲームとも連動します。『Pokémon GO』では、会場付近のフィールドリサーチで、特別な背景のピッピに出会えるほか、特別なステッカーが手に入ります。『Pokémon HOME』のスマートフォン版では、記念メダルを受け取れます。メダルは会場ごとに、会場名の入ったデザインになる予定です。

グッズは、図録が1,980円、トートバッグ(メイン)が4,950円、ぬいぐるみ「ほしぞらピカチュウ」が2,750円です。国立天文台の限定グッズとして、大判ステッカー、Tシャツ、ホログラムキーホルダーも販売されます。数量に限りがあり、購入数が制限されることがあります。

行き方

会場のれきぶんは、長崎駅から歩いて行ける距離にあります。

  • 歩き:JR長崎駅から桜町方面へ、徒歩14分
  • バス:長崎駅前東口から、長崎バス(全系統)または長崎県営バスに乗り、「歴史文化博物館」で降りて、徒歩3分
  • 路面電車:「桜町」で降りて、徒歩5分
  • 車:長崎自動車道の長崎芒塚ICから、諏訪神社方面へ約10分

路面電車の乗り方や運賃は、路面電車ガイドで紹介しています。冬休みの子ども連れなら、均一運賃の路面電車は、駐車場の混雑を避ける手段になります。

冬休みの一日を、れきぶんで組み立てる

展覧会だけで終わらせず、博物館全体を使うと、一日を気持ちよく過ごせます。館内には、3階の企画展示室のほか、2階の常設展示室、レストラン、伝統工芸体験工房、ショップがそろっています。資料閲覧室や、ガイドアプリも用意されています。

たとえば、午前中にポケモン天文台をゆっくり見て、昼は館内のレストランで休みます。午後は常設展に移り、復元された奉行所を回ります。常設展には、子どもが楽しめる寸劇の場面もあります。宇宙の話題から、江戸時代の長崎へと、時間の旅が一日のなかでつながります。

長崎県内の小中学生は、常設展の観覧料が無料です。展覧会と常設展を組み合わせても、子どもの分の負担は、特別企画展の料金だけで済みます。ただし、特別企画展の料金は、この無料の対象に含まれていません。

出かける前の確認リスト

最後に、準備のポイントをまとめます。

  • 行くと決めたら、12月24日までに前売券を買う
  • 年末年始は、休館日(12月30日、31日、1月4日)を避けて日を選ぶ
  • 車より、路面電車やバスを選ぶ
  • 開場は10時から。最終入場は17時30分
  • グッズは数量に限りがあるため、欲しいものがあれば早めに回る

宇宙への入り口は、足もとの博物館にある

『ポケモン天文台』は、ポケモンの人気に頼っただけの展覧会ではありません。国立天文台の監修のもと、リュウグウの砂や、日本初公開の隕石の化石といった本物が並ぶ、本格的な科学展です。それを、子どもにも分かりやすく、体験を通して伝えようとしている点が魅力です。

長崎で暮らす人にとっては、年末年始に、家族や友人と過ごす時間の行き先が、ひとつ増えたといえます。前売券は12月24日まで。会期は2027年2月28日まで続きますが、休館日と年末年始の日程には注意が必要です。

遠い宇宙のことを、足もとの博物館で学ぶ。そんな少し不思議な体験が、この冬の長崎で待っています。